コラム【神の手】加瀬建造先生の名言(キネシオテーピングメソッド開発者)
キネシオテーピングの創始者として知られる加瀬建造先生。その取り組みを振り返りながら、施術家が患者から学ぶ姿勢や、施術後の日常生活まで考えることの大切さを整理します。
この記事では、加瀬先生の取り組みから院長・中村篤史が考えたことを、GN(逆説ナッジ)の視点で3つの問いにまとめました。
※以下は加瀬先生の思想に着想を得た院長自身の考察です。出典を確認できていない言葉を、本人の直接発言として引用するものではありません。
1.患者から学ぶという姿勢
考察のテーマ:施術家は患者の身体や経験から何を学べるのか。
GNによる問い:「学ばない施術家は、患者の声を聞き逃していないだろうか?」
院長の考察:痛みの感じ方、姿勢、呼吸、動作の変化など、患者から得られる情報は一人ひとり異なります。
施術家が一方的に判断するのではなく、本人の訴えを聞き、実際の動きや反応を観察し、必要に応じて判断を修正することが大切です。
ただし、身体の反応だけで病気の有無や原因を確定できるわけではありません。医療的な確認が必要な状態を見落とさないことも重要です。
教育フレーム①:対話的施術
- 施術を一方通行ではなく、患者との対話として捉える。
- 本人の感覚と客観的な動作の変化を確認する。
- 施術者自身の仮説を、観察結果に応じて見直す。
2.施術室を出た後まで考える
考察のテーマ:施術中に感じた変化を、日常生活でどう評価するか。
GNによる問い:「施術の効果は、施術室を出た後にどう確かめられるだろうか?」
院長の考察:施術直後に身体が軽く感じられても、その変化が日常生活で維持されるとは限りません。
立つ、歩く、仕事をするなど、本人が困っていた動作に変化があるか。その後の負担に対して、どの程度回復できるか。
こうした経過を確認することで、施術だけで対応できる範囲と、生活習慣や身体活動などの見直しが必要な部分を考えやすくなります。
教育フレーム②:施術の外延
- 施術直後の感覚だけで効果を判断しない。
- 日常生活での動作と変化の持続を確認する。
- 「この状態を保つために、何を見直せるだろう?」と問いかける。
3.自然回復力をどう捉えるか
考察のテーマ:身体に備わる回復機能と、施術家の役割。
GNによる問い:「身体の回復を支える条件を、十分に見ているだろうか?」
院長の考察:人体には、損傷した組織を修復したり、身体の状態を調節したりする仕組みがあります。
一方、すべての不調が自然に改善するわけではありません。病気や損傷の種類によっては、医療機関での診断や治療が必要です。
私は、身体の回復機能を過大評価するのでも、軽視するのでもなく、現在の状態と回復を妨げている可能性のある条件を見極めることが重要だと考えています。
教育フレーム③:信頼のリレー
- 施術者だけが身体の変化を判断するのではなく、本人も経過を理解する。
- 必要な身体活動や休息など、日常生活で取り組める条件を整理する。
- 施術の限界を認識し、必要に応じて医療機関と役割を分ける。
ヘルス療術と加瀬先生の取り組みから考えること
加瀬先生のキネシオテーピングと、田村弘二先生のヘルス療術は、それぞれ異なる技術と背景を持っています。
私が両者の取り組みから考えるのは、施術家が身体に働きかけるだけでなく、その後の反応を観察し、本人の生活まで視野に入れることの大切さです。
これは両技術の効果が同じであることや、同じ生理学的機序で作用することを意味しません。
整体ベストバランスでは、本人が困っている動作、身体の状態、施術前後の変化、その後の経過を重視しています。
施術だけで解決できることと、医療や生活環境の見直しが必要なことを区別しながら、身体の自由と回復を考えていきたいと思います。
関連する施術家の考え方
このシリーズでは、異なる施術家の技術思想を手がかりに、身体の見方や施術のあり方を考察しています。
- 小口昭宣先生|腱引き療法・筋整流法
- 杉本錬堂先生|天城流湯治法
- 塩川満章先生|カイロプラクティック
- 佐藤青児先生|さとう式リンパケア
- 原口力也先生|施術と身体の反応
- Ken Yamamoto先生|KYTテクニック
この記事は整体ベストバランス院長・中村篤史による考察です。
